最近の2冊 『 ネット未来地図』、『ウェブ国産力』

ネット未来地図 ポスト・グーグル時代 20の論点 (文春新書 595)

 副題"ポストグーグル時代20の論点"ということで,'07年9月までの取材をもとに現在のネットを取り巻くビジネス・メディア・テクノロジに関して20の切り口から俯瞰している。刊行されたのは10月。佐々木氏の新書本の特徴として,対象とする分野自体が変化の激しいネットなので,雑誌感覚で出て直ぐ読まないと,直ぐに古くなってしまう感が在る。
 加えて,この本を読む前に,後から刊行された「ウェブ国産力(アスキー新書)」を読んでたので,内容的に少し重複する部分があった気がする…。(「あれっ,この記述,どっかで既に読んだ」みたいな。)
 ネットで「今何が起きているのか?」を知るには良い本です。

 内容的に面白かったのは,SecondLifeとかTwitterかなぁ。
SecondLifeに関しては,まさに自分の感じていた違和感みたいなものが,何人かの感想として掲載されていた。「インストールはしてみたけど,自分のPCでは動作させるには重すぎる」加えて,「"がらんどう"の世界が広がってて,結局何をして良いのか解らない」という点。コミュニケーションに同期性を求められる3Dアバターを使っている点もなるほど〜と。
それにしても,SecondLifeの"流行が起きているのは、大企業と大手広告企業、そして日本経済新聞の紙面上だけだ"には面食らった。…結局自分も日経の記事に踊らされただけだったか。。。

ネット未来地図 ポスト・グーグル時代 20の論点 (文春新書)

ネット未来地図 ポスト・グーグル時代 20の論点 (文春新書)

('08.3.22読了)



ウェブ国産力 日の丸ITが世界を制す (アスキー新書 (047)) (アスキー新書 (047))

 読む順序間違えたなぁと言う感じ。先に文春新書の「ネット未来地図」を読むべきだったか。内容的に,「ネット未来地図」で少し触れられていたの検索テクノロジにスポットを当てて掘り下げて解説してくれています。

ともすれば,検索ではGoogleが全能の神みたいな感じになってしまってるけど,それだけではない国産の検索エンジンの萌芽を解説してくれていますが,"日の丸ITが世界を制す"という大げさな副題にはちょっと違和感。

 "情報大航海プロジェクト"について書かれている第6章は,参考になりました。どこからそういう発想を得たのか?不確かだけど,僕自身も「日本版Googleを作るのが目的でしょ」と勘違い(?)していた面があるので,これからは見方を少し変えて見てみようと思う。

ウェブ国産力―日の丸ITが世界を制す (アスキー新書 047)

ウェブ国産力―日の丸ITが世界を制す (アスキー新書 047)

('08.3.頭頃読了)