『ウェブ時代5つの定理』の講演会&サイン会


『僕はこんな言葉に未来を見てきた-make the world a better place -』


15日に八重洲で行われた『ウェブ時代5つの定理』の講演会&サイン会に行ってきました。
既に文芸春秋のサイトに講演会録がアップされてるし、ブログには参加者のコメントが既に沢山でてるけど、手元のメモを見ながら、忘れないうち(既に1週間だもんな)に軽く振り返ってみます。


全体としては、本に収められたビジョナリーの金言から梅田さん自身が今のベスト10を発表しながら解説するというもの。参加者にも読んだ中から初めに数個を頭の中で考えてもらい、その都度、同じものを選んでいたら挙手してもらう形でした。
会場が結構狭い空間で100人もの参加者があった分、静かな中にも結構熱気が漂っていた感じでした。でも、梅田さんの著書のごとく爽やかな熱気だったかなぁ。


冒頭は「本というのは読者を映す鏡」「ネット上の約25000ぐらいの感想を読んできたけど、どれ一つとして同じものは無かった」というところから始まりました。そして、講演最後の締めには、「読み終わっても、ブックオフに売らず、ぜひ手元に置いて人生の中でその時のベスト10を選んでほしい。そうすると、全く違う言葉を選んでいる自分を発見するだろうから」という言葉が。

確かに、前回、第3章途中まで読み進めた段階で受けた印象からは、「1〜2章では、引っかかってくるところが無い」というのが率直な感想だった。特に1章のアントレプレナーシップ。これはやはり冒頭の言葉通りです。自分の仕事人生では、ほぼ与えられた環境で与えられたメンバーで仕事をしてきているのが100%。仕事の中で経験として持っていない部分は鏡に映ってこないし、見えてこないんだよね。

一方で、その後に読んだ3章全体は、特に後半のAppleに関連した部分は、やっぱりモノ作りに関わるものとして響いてくる点が多かった。自分の周りの人にもぜひ読ませたいなぁ〜と思いながら読んでた。また、講演会のなかで唯一僕が選んだ言葉と梅田さんが8位に選んだ言葉が一致していたのが、Appleのインダストリアルデザイン担当のジョナサン・アイヴの言葉(p.162)

Perhaps the decisive factor is fanatical care beyond the obvious stuff: the obsessive attention to details that are often overlooked, like cables and power adaptors.

おそらく決定的な要因は、「当たり前」を超えて「狂信的に注意を払うこと」だ。
細部に「取り憑かれたような関心を持つこと」だ。
ケーブルやパワーアダプターといった普段は見過ごされることの多いものにもとことん気を配ることだ。

会場内では僕を含め3人の挙手。「fanatical 狂信的」、「obsessive 取り憑かれたように」というのは普通のビジネス用語ではないという解説。テクノロジーだけでなく「プロダクト指向」、デザインも含めて製品にまとめあげる力のあるAppleのデザイン担当ならではです。
僕自身、この2月から、MacBookAirを購入し、久しぶりにMacユーザーに返り咲きましたが、製品として持つデザイン、使いやすさ、おもてなし精神といってもよいかもしれない点は、ここ数年使ってきたWindows PCには全くない点だと日々感じてます。細部までの狂信的なこだわりがあってこそのデザインだと。汚い部屋の中ではつかうのが躊躇するほど、使う場所まで限定されそうで、本当に"セクシーなプロダクト"です。


その他、講演の詳細は文芸春秋のサイトに譲るとして、最後の質疑応答で印象に残ったのが、
Q:JobsなどApple関係者の言葉は沢山あるが、MS関係の言葉が無いのは?
→A:(若干、顔をしかめながら)Bill Gatesはねぇ〜話が面白く無いんだよ。
    (会場、爆笑)
「おもてなしの経営学」の著者 中嶋聡さん(元Gatesの右腕)の言葉を引用して、「何がBillGatesかっていうと・・・絶対に"勝つ"」ってことだそうです。


僕自身、この本を読みながら、気になったところに珍しく付箋を入れてみたので、時間を見つけてそこだけをさらに読み直して、今現在の自分の10位を出してみようと思います。


ウェブ時代 5つの定理―この言葉が未来を切り開く!

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