ロートレック展 〜パリ,美しき時代を生きて

愛知県美術館に朝イチで行ってきました。
朝一番の入場でもでも意外に人が多かったけど。

 開催期間は'08年の1月14日まで
 その後東京のサントリー美術館へ回るそうです。
 http://www-art.aac.pref.aichi.jp/exhibition/review.html



ロートレックの絵,もしかしたら,過去に学校の美術の教科書なんかで見たことがあったのかもしれないが,記憶にるだけの印象を受けたのは,学生時代に手に取った筒井康隆の『ロートレック荘事件 (新潮文庫)』だったと思う。(これは展覧会後に,友人とのやり取りで思い出したのだけど。) 小説の内容は全く覚えてないけれど,文庫本の装丁にロートレックの絵が使われていたのは記憶があった。学生時代に文庫小説を読み漁った時期があったのだが,この本がとりわけ記憶に残っているのは,(その時はロートレックの知識なんて皆無でしたが,)19世紀末の大衆文化が花開いたパリのエネルギーが伝わってくる絵が,どこか心の奥底に引っかかったのだという気がします。


ところで,この表紙は何の絵だったかなぁ〜と考えて,確かムーランルージュのポスターだったはず!?と思ってましたが,後で調べてみたところ,「ジャヌ・アヴリル」という踊り子の絵でした。

この絵,コントラバスの柄と奏者の横顔が画面構図の枠組みになっている作品で,興味深かったので,展覧会場でも,鼻息がかかるぐらい近くまで寄ってみていましたよ。
ジャヌアヴリルの躍動感のある踊りと,コントラバスの柄とクロスするように配置された譜面から,そのまま音楽も感じられる作品でした。


今回も,そんなエネルギッシュな絵が見られるかと足を運びましたが,享楽的で華やかな世界の楽しい部分だけを自分の中に切り取って残して来て,そして帰り際には街の中のイルミネーションの輝きを横目で見ながら,何年か前に夕刻のモンマルトル辺りをぶらっとした記憶もよみがえって来て,ちょっと楽しい気分になって帰ってきました。

同時代のポスターなんかも幾つか出してありましたが,見比べてもロートレックに惹かれてしまう自分が居た…やはり,あの独特の輪郭線の使い方が妙に惹かれるのかなぁ。



その時代にカラーの複製印刷技術が発達しポスターが流行ったらしく,ロートレックの絵自体がその技術を使って広まっただけあって,多くがリトグラフ(石版画)で製作されていた。

リトグラフ」…この単語はよく目・耳にする気があるんだけど,如何せんどうやって刷っているのか想像もつかない。 今回見ていても,これは鉛筆のデッサンの線だろう!と思ったものでも,制作方法が「リトグラフ」と書いてあり,所詮小中学校の紙版画,木製版画,塩ビ版画で版画の知識が止まっているので,自分の記憶にある版画手法をどう組み合わせても完成できないものを見せられたかんじでした。




また,パリの街歩きをしてみたいなぁ。