個展『風の終着駅』

水彩画イラストの個展を見てきました。

アーティストは,内田新哉さん。僕的には,「内田先生」と呼ぶのが一番しっくり来るんですが・・・小学校時代の,クラブ(サッカー,クラフト)の顧問や分団の担当の先生でした。担任はしてもらってないけど,おそらく小学校の先生の中では,最も印象にある先生の一人です。


最近は,独特の透明感のある絵が若い方を中心に非常が人気があるらしく,画集やエッセイ集の挿絵,ジグソーパズルにもなってたりと,色々なところで見かけることが多く,ご活躍されているなぁと感じているところ,弟宛に来た個展の案内を見かけ,たまには…と思い,足を運びました。

名古屋の八事にある,ギャラリーAOYAGIで13日までやっていますので,ご興味のある方はぜひ。
http://www.uchida-shinya.net/u_event.html


基本,風景画なのですが,キーになっているモチーフがあって,それは自転車と麦藁帽子。多くの風景の中に,その2つが描かれています。どの作品からも,溢れて来るのは,柔らかな太陽の光と風の流れ。瑞々しい空気の流れが見えるというか。見てるだけで,風が木々に当たってざわめく音が耳の奥に響いてくる感じ。
展示してあった,冊子の中に,アンドリューワイエスの絵に深く感動して,ワイエスの原画を見るために方々の美術館へ足を運んだという記述があり,多くの作品に描かれている青い草原を見て,なるほどなぁと思わされました。


絵の舞台となっているのは,国内から南仏やイタリア,中国まで。
中国の絵の端には,「1986年」と記載があり,まさに自分が小学校のときに見てもらった頃なんだ〜そういえば,長期の休み明けに,シルクロード方面の中国旅行の土産話をしてもらったなぁと,作品を見ながら,20年前の思い出がふわっと出てきました。

一方,伊・仏の風景を見ては,「ううう,また,足を運びたい・・・GWか?」と,心動かされつつあります。

   

イタリアの風―内田新哉画集

イタリアの風―内田新哉画集



内田先生には,小6の時に,週1回の「クラフトクラブ」でもお世話になり,その頃は,先生の持つ,絵画だけにとどまらないアートに対する技法に,子供ながら凄く感動した記憶があります。クラフトクラブで作成した作品を挙げると,次のようなもの。
・銅版を腐食加工したレリーフ:化学の世界ですな
・コルクボード:確かモチーフはペリカンだった
・タタラづくりの焼き物:タタラって粘土の板です
・手びねりの焼き物:壷を作ったよ
・ブーメラン:自作の木製ブーメランが,投げると手元に戻ってきたのは感動!
・糸ノコ加工のパズル:糸ノコは,今でも欲しいんだよなぁ〜

正直,20年前の「クラブの時間」の作品がすらすらと出てくる自分にも結構驚きです。
当時の「図画工作」の授業の作品が出てこないのに,クラブのほうだけ覚えてる…。


この週1の授業1年間を通じて,「ものづくり」の楽しさを教えてもらったのは言うまでも無く,もしかしたら,今のメーカー勤めの原型もこの頃に出来たのではないか?と,作品を見て,20年ぶりに先生にお会いした後に,つらつら自分の深層を掘り返して考えてました。


しかし,学校の先生という職業はいいですね。

自分が先生から受けた影響について,立場を変えて考えてみると,教育現場を通じて多くの子供たちに自分なりのメッセージを送り続ける事ができるという,大変だけどもすばらしいものだと,一方でそんな事を感じた次第です。