「SNS的仕事術 ソーシャルネットワーキングで働き方を変える!」読後感

http://d.hatena.ne.jp/irishin/20061215/1169980307

'07年1月26日読了

自分の仕事の方法,ひいては今所属する会社組織のあり方も含めて,色々と考えさせられるものがあり,また日々もやもやと感じていた点を明らかにしてくれた良書でした。


この本で述べられている「SNS的仕事術」が,ある程度そのまま上手く通用する業務組織とそうでないものがあると思われる。

現実の世界で起こりつつある,第2章で述べられていたような幾つかのキーワード「メディア化する個人」「個人のキーワード化」「オンとオフの希薄化」など大いに頷けるところがある。一方で,それを自分に当てはめて,自分なりの「仕事術」にしようとした場合に,今の組織内のみならば可能だろうけど,その範囲を組織の外に広げようとすると,やはりそのまま当てはめるのは難しいだろうなぁ〜というのが最初に来る感覚。
根底にあるのは,本書の中にも何度か登場している「匿名か実名非匿名か?」という点に尽きる。

日々書きたい・意見を述べたいと言う物事がある一方,一私企業のエンジニアの自分にとって,外に出しても良い情報と出すべきではない情報の判断。注意を払って書いていたとしても,もし間違って,出すべきではない情報を漏らしてしまったときに被るであろうデメリットを考えた場合に,今はまだ実名で書くほどの覚悟が出来ていないと言うのがある。

この点は,リアルでの人付き合いの苦手な性格が,同様にネット上にも反映されていると言うことなのかもしれないけど…。(単なる甘えか?)


匿名で書いている分,少なからずリアルとネットの自己の乖離が許されているような所も在るし。SNSもブログも,実名で書けるだけの覚悟が出来た時こそ,ネットも含めたアイデンティティのが確立できたと言うことになるのか。


筆者が「本書全体を通して伝えたかったこと」を集約した,あとがきの引用

(一)現代はいよいよ個人が自分の名前で活躍できる時代だということ。
しかし,
(二)本当に自分の名前で仕事をするためには,自分自身がしっかり自立し,自分の付加価値をきちんと発信する必要があるということです。

この2点はまさに大きく頷ける。
でも,今の自分の情報発信能力にそこまでの付加価値があるのかというのは疑問。。。


とまあ,こんなことを考えながら,同時に購入したけど先に読んでしまった,「ウェブ人間論」を再度読んでみると新たな発見もあるのかもしれない。